弊社は粘土瓦製造メーカーなのですが、他の屋根材、特に近年「金属屋根」の勢いが凄いので、ちょっと勉強してみました。
「いぶし瓦」と「金属屋根(縦葺き)」のコラボ。
ガルバリウム鋼板とは、1972年アメリカで開発され、鉄にアルミと亜鉛を覆うことにより、耐久性に優れた屋根材です。
メリットは、コンマ数㎜程度と非常に薄い素材で、重さも瓦の約10分の1。
化粧スレート(コロニアルなど)のカバー工法にも適しています。
昔は、瓦、コロニアルに次ぐ第三の屋根材でしたが、2017年トップの座に躍り出ました。
理由としては、阪神淡路大震災以降の「軽い屋根」へのシフト、コロニアルより耐久性の優位などが挙げられます。
【横葺き】
現在最も多く使用されている「横葺き」2寸以上の勾配で施工されます。
最初の写真は「縦葺き」
勾配(屋根の角度)が緩い屋根での採用が多く、太陽光発電システムを設置する場合多いようです。
しかし、将来的リフォームする際勾配が緩いので選択肢がありません。
【石粒付鋼板】
表面に天然石を付着させた屋根材。
断熱材は付いていませんが、ガルバリウム鋼板の欠点の一つである雨音が天然石により軽減されます。
また、見た目の暖かみは金属屋根の中ではトップクラスです。
従来、金属屋根の欠点は「断熱性の低さ」「遮音性の低さ」などがありましたが、最近は断熱材と一体となった「一体型」があり、裏面に予め断熱材を貼り付け、雨音の遮音性も高くなっています。
上記の内容はある程度知っていましたが、今回初めて知ったのが「エスジーエル鋼板」
ホントに勉強不足でした、、。。
「エスジーエル鋼板」とはガルバリウムにマグネシウムを加えた鋼板の事で、「次世代のガルバリウム」と呼ばれ、耐久性が格段に向上しているようです。
現在流通している屋根材は多種多様。全て一長一短あります。
四季があり、雨の多い日本。
日本で1400年以上の歴史がある「粘土瓦」にはそれなりの理由があります。
金属屋根の歴史はまだ数十年。
昨今の住宅事情(デザイン、軽量化)、再生エネルギー推進による太陽光発電システムの設置、毎年各地で発生する台風、地震などの自然災害。
金属屋根の優位性は当分変わらないと思いますが、新築、リフォームの際、屋根材に興味を持たれる方が減っていると聞きます。
屋根材検討の際、是非「粘土瓦」もテーブルに載せて下さい。
各種検討され「粘土瓦」以外をチョイスされても仕方ありません。
昨今、テーブルにさえ載っていないことが多いのですから、、。。
毎日使う水廻りなどの設備に予算を掛けたいのは良くわかります。
しかし、雨の多い日本。屋根、壁は非常に重要です。
一度選んだあと後悔しても、余分な費用が必要となります。
初期コストだけではなく、長期に渡り住み続ける家。
是非ランニングコストも十二分に検討してください。