2017年9月19日火曜日

瓦屋根の耐震性を知る

台風18号が日本列島を縦断し、各地に被害を及ぼしました。

被害に見舞われた方には、この場をお借りしお見舞い申し上げます。

宮崎市内で瓦が飛んだ映像がNHK(日本放送協会)で繰り返し報道され、他の屋根材も被害が報告されているのに、瓦屋根だけがいかにも飛散したような報道をされると、地震に続く第二の風評被害が起こる可能性が高く、瓦製造の全国組織「全国陶器瓦工業組合連合会」では本日急遽メールにて申し入れを行いました。

メディアで放送されるインパクトは想像以上に凄く、数年前からジャブで体力を消耗され、近年ではストレートを連打されノックアウト寸前まで瓦業界が疲弊しています。

今回の台風とは違いますが、瓦業界で一番ダメージが大きな「瓦屋根が地震に弱い」というイメージ。

そこでこの度、全国陶器瓦工業組合連合会、一般社団法人全日本瓦工事連盟が共同で「瓦屋根の耐震性を知る~瓦屋根は地震に弱いという風評は本当か?~」という冊子を発行しました。


木造住宅倒壊解析ソフトウェア「Wallatat」を用いることにより、建物がどのように揺れるか、どのように壊れるか、どのようにしたら壊れないかを検証できます。


写真では分かりづらいですが、耐震診断による評点(※1)が、1.0に満たない2階建て住宅(①のケース 耐震補強のない瓦屋根)を想定し、瓦の軽量化を図るため、スレート屋根(②のケース)や金属屋根(③のケース)に改修しました。
さらに④のケースでは、①の住宅の壁を増やす改修を実施し、①~④の各プランに1995年(平成7年)1月に発生した兵庫県南部地震で観測された地震波を入力し、建物がどのように揺れ、どのように壊れるかを検証しています。

※1 耐震診断の評点とは
評点1.5以上なら倒壊しない、1.0以上なら一応倒壊しない、1.0未満なら倒壊する可能性がある、0.7未満なら倒壊する可能性が高いと判断されます。
評点は、建築基準法令で要求される耐力に対する建物の耐力で示されます。壁量を見るのが基本ですが、既存住宅では接合部補強が不十分なことがネックになっている場合もあります。
まら、接合部や基礎の仕様、耐力壁のバランス、床などの水平構面の仕様、土台や基礎などの劣化の程度によって評点が減点される仕組みになっています。

長々と説明しましたが、結果は!

耐震診断の評点0.51の瓦屋根(耐震補強なし)の物件を、軽い屋根と言われている「スレート屋根」「板金屋根」に改修しても倒壊します!

瓦屋根のまま、耐震補強を施した物件だけが倒壊しないのです。

安易に軽い屋根と呼ばれているものに相当額を支払い、大地震が来て倒壊すれば元も子もありません。

各市町村の窓口に問合せすれば、耐震診断の相談を受け付けていると思いますので、まずは、相談してみてください。

YouTube動画サイト
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wallstat

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