2021年5月21日金曜日

神戸北野異人館街

 現在でも日本の主要な貿易港である神戸港。その開港は今から約150年前にも遡ります。

外国人の居留地として開発されたエリアが、現在の神戸市北野町一帯。

戦災や震災や再開発で多くが無くなりましたが、現在約60棟の洗練された洋風住宅が軒を連ねています。



1980年に、43道府県101市町村123地区(令和2年12月現在)ある「重要伝統的建造物群保全地区」に選定され、また昭和52(1977)年にNHK朝の連続テレビ小説「風見鶏」の放映を機に全国から多くの観光客が訪れ、主要な観光地となっています。

その多くの建物の屋根には「いぶし瓦」が葺かれています。
洋風住宅でも違和感ありませんよね。


こちらは数年前に訪れた時はセブンイレブンだったのですが、約3年前に閉店し、その後保育園に替わるそうです。


こちらは、明治40年に建築された木造2階建ての住宅を、平成13年に現在地に再建、移築された世界的に有名な「スターバックス」
再建された際も「いぶし瓦」を使っていただき有難いことです。
訪れた時はタイミングが悪くメンテナンス作業のため臨時休業でした、、。。

現在兵庫県は「緊急事態宣言中」なので閉館しているところが多いと思いますが、コロナ禍が落ち着いたら、異国情緒溢れる「神戸異人館巡り」を是非!
その際は、ちょっと見上げて屋根も見てくださいね。


2021年5月13日木曜日

屋根瓦の施工方法の強化について

 国交省では「総力戦で臨む防災・減災プロジェクト~いのちとくらしをまもる防災減災~」の一環として、「建築物に係る強風対策の推進」に取り組んでいます。

その一環として来年(令和4年1月1日)から「屋根瓦の緊結方法」が強化され、令和4年1月1日以降に建築物を新築等する際には瓦屋根について強風対策を講じる必要があります。



現在(改正前)は全数緊結(釘等の留め付け)する必要はありませんが、来年からは、全ての瓦を緊結し、完了(中間)検査時の申請図書に品質管理記録を記載させるようになります。

瓦業界団体が平成13年8月に策定した、強風や地震による屋根瓦の脱落被害を防止する工法(ガイドライン工法)で既に多くの工事店様が施工されていると思いますが、法的拘束力がないため、一部の工事店では旧工法で施工され、自然災害時に被害を受けていることがありますので、このような施策で一般の方に「見える化」が進むことは良いことだと思います。



上記写真は島根県の石州瓦の「来待色」の瓦が多く連なる風景。
地域性があり、趣がありますね^^
このような日本の伝統的な景観を、安心安全な工法でいつまでも残していきたいものです。
前回のブログにも書きましたが、この景観に「太陽光パネル」は絶対必要ありませんよね?


2021年5月12日水曜日

脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会

 久しぶりの投稿になります(^^;

数日前と今日、「御社のブログ見ていますよ~」と言われ、定期的に発信しなければ!と初心に帰った本日、、。。

屋根の軽量化、洋風化が止まらない昨今、先月ショッキングな国の検討会がありました。

それは「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会


国土交通省、経済産業省、環境省が合同で行なったもので、小泉環境大臣が「住宅やビルに太陽光パネルの設置を義務付けるべきだ」と発言しました。

義務化されれば瓦業界は益々逆風の嵐が吹き荒れます。

積雪地や日当たりの悪い地区での発電効率低下の問題等が議論として上がったそうですが、それより、日本の伝統的住宅文化の継承や、景観保全の視点が全くないのが非常に問題です。

地球全体での温暖化を緩和するためには、脱炭素の流れは理解できますが、その前に議論すべきことがたくさんあるはずです。

現に国の官庁の屋根にどれだけ太陽光発電が設置されているのでしょうか???

※上記内容の一部は「日本屋根経済新聞」の社説を引用させていただきました。