2015年9月29日火曜日

南あわじ市役所 グッドデザイン受賞

4月6日に開庁した「南あわじ市役所」

今年の「グッドデザイン賞」をめでたく受賞しました。


詳しくはこちら→グッドデザイン賞2015


夕暮れ時照明が付くと、特注の瓦スクリーンから木漏れ日のような感じが演出でき、また、日中は日よけと目隠しの効果があります。


外壁はもちろん、内部階段踊り場の壁にも瓦を多用しています。



建物全体で36000枚の淡路瓦を使用。瓦は伝統的な素材でありながら極めて合理的かつ経済的な工業製品である。清掃不要であること、破損部のみ取り替え可能なことから高いメンテナンス性を有する。地元瓦工場と連携し最も汎用的な「桟瓦」を利用して、日よけや目隠しのための瓦スクリーンとして開発。瓦工場の高い技術と経験を活かし新たな建材利用への可能性を示した。また、瓦の製造過程の中で発生する産業廃棄物となる瓦の端材を環境素材として再利用。瓦の高い保水性(一般砕石骨材の約3倍の吸水率)を活かし外構舗装材の骨材に利用することで、夏季には雨や打ち水による外気冷却効果を得て室内に涼やかな風を取り入れる。
※受賞対象の詳細【創意工夫】より抜粋

審査委員の評価は

淡路島をまわると、瓦の使用が印象的だが、地域特有の材料を積極的に取り組むことで、画一化しやすい市役所に個性を与えている。
もっとも、傾斜した屋根に「淡路瓦」をのせるのではなく、地元の工場と協同しながら、スクリーンやウォールなど、通常とは異なる垂直面に新しい方法で使うことで、材料の可能性を引き出す。
また瓦は環境性能の向上にも寄与している。防災機能と開放的な空間も特徴だが、いわば瓦のショーケースのような役割も果たす市役所だ。

以上のように、携わった者として非常に嬉しい評価をいただきました。
瓦の新しい可能性を見出していただいた設計事務所の「株式会社NTTファシリティーズ」様に、この場をお借りし、感謝申し上げます。

閉塞感の漂う瓦業界ですが、この賞を励みに、これからの瓦造りに精進して行きたいと思います。




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