2017年9月23日土曜日

屋根のプロがいぶし瓦を勧める14の理由

屋根瓦の業界紙、日本屋根経済新聞社様が、結構前ですが「屋根のプロがいぶし瓦を勧める14の理由」を発刊しています。


16ページからなるポケットサイズの使い勝手のよい冊子です。


お勧めポイント①
きれいだから、いい。
いぶし銀の輝きは他の屋根材には醸し出せません。

お勧めポイント②
雨が漏らないから、いい。
瓦のウェーブが雨を素早く流します。


お勧めポイント③
古美るから、いい。
年月が経つと風合いが出て、飽きない色合いです。

お勧めポイント④
長持ちするから、いい。
奈良県の元興寺では、1400年前の瓦が一部健在です。
手入れをすれば非常に長持ちします。


お勧めポイント⑤
エコだから、いい。
粘土100%で生まれ、やがて土に還る。地球にもとても優しい建材です。

お勧めポイント⑥
厚みがあるから、いい。
雨音も太陽熱も吸収し、夏涼しく、冬暖かい。


お勧めポイント⑦
燃えないから、いい。
瓦は国から認定された不燃材。火災時の延焼を防ぎます。

お勧めポイント⑧
通気するから、いい。
瓦の下に通気口が出来るので、湿気ることなく家が長持ちします。


お勧めポイント⑨
鬼瓦があるから、いい。
鬼瓦は家と家族の守り神と言われています。

お勧めポイント⑩
修理が簡単だから、いい。
他の屋根材だと修理、増築等で代替品がないこともしばしば。
いぶし瓦は、1枚から修理できるのがポイント。
長年にわたって住み続ける家。メンテナンス時のことが最重要課題です。


お勧めポイント⑪
強いから、いい。
近年は瓦と瓦が噛み合わる構造の「防災瓦」と、全国統一の「ガイドライン工法」の普及により、地震、台風等の災害にも対処しています。

お勧めポイント⑫ 
ホッとするから、いい。
瓦屋根は日本の原風景。


お勧めポイント⑬
パーツが多いから、いい。
豊富な役瓦のデザイン。個性、地域性が演出出来ます。

お勧めポイント⑭
経済的だから、いい。
初期投資は他の屋根材に比べて高いですが、塗り替え不要でランニングコストが優れています。

「瓦は重いから軽量屋根材にリフォームしなければ、地震が来たら危険ですよ!」

瓦は重いです!しかし、軽量屋根材~のくだりは間違い!!!

耐震補強をすれば、瓦屋根でも大丈夫なのです。

新築の場合、太陽光搭載の勾配の緩い片流れの屋根が非常に増えています。

「太陽光発電を設置するから、屋根材は軽量のもので!」

間違いではありませんが、15~20年後屋根材のメンテナンスが発生した時、太陽光パネルを一旦外すのでしょうか???

足場の設置は当然ですが、かなりの高額になると思われます。

結婚後数年で、最初家を建てられる方が多いと思います。

お子様が生まれれば、成長し、高校生、大学生になって一番お金のかかる頃、軽量屋根材の場合、メンテナンス時期になります。

いぶし瓦(粘土瓦)も万能ではありません。

しかし、新築、リフォームを検討される際、まずはご検討ください。

検討の結果、他の屋根材をチョイスされても仕方ありません。

しかし昨今、風評被害等もあり、検討の土俵にすら上がれていない現状があります。

試合で負けるのは仕方ありませんが、試合をせずに負けるのは、悔しく悲しいことです。


2017年9月19日火曜日

瓦屋根の耐震性を知る

台風18号が日本列島を縦断し、各地に被害を及ぼしました。

被害に見舞われた方には、この場をお借りしお見舞い申し上げます。

宮崎市内で瓦が飛んだ映像がNHK(日本放送協会)で繰り返し報道され、他の屋根材も被害が報告されているのに、瓦屋根だけがいかにも飛散したような報道をされると、地震に続く第二の風評被害が起こる可能性が高く、瓦製造の全国組織「全国陶器瓦工業組合連合会」では本日急遽メールにて申し入れを行いました。

メディアで放送されるインパクトは想像以上に凄く、数年前からジャブで体力を消耗され、近年ではストレートを連打されノックアウト寸前まで瓦業界が疲弊しています。

今回の台風とは違いますが、瓦業界で一番ダメージが大きな「瓦屋根が地震に弱い」というイメージ。

そこでこの度、全国陶器瓦工業組合連合会、一般社団法人全日本瓦工事連盟が共同で「瓦屋根の耐震性を知る~瓦屋根は地震に弱いという風評は本当か?~」という冊子を発行しました。


木造住宅倒壊解析ソフトウェア「Wallatat」を用いることにより、建物がどのように揺れるか、どのように壊れるか、どのようにしたら壊れないかを検証できます。


写真では分かりづらいですが、耐震診断による評点(※1)が、1.0に満たない2階建て住宅(①のケース 耐震補強のない瓦屋根)を想定し、瓦の軽量化を図るため、スレート屋根(②のケース)や金属屋根(③のケース)に改修しました。
さらに④のケースでは、①の住宅の壁を増やす改修を実施し、①~④の各プランに1995年(平成7年)1月に発生した兵庫県南部地震で観測された地震波を入力し、建物がどのように揺れ、どのように壊れるかを検証しています。

※1 耐震診断の評点とは
評点1.5以上なら倒壊しない、1.0以上なら一応倒壊しない、1.0未満なら倒壊する可能性がある、0.7未満なら倒壊する可能性が高いと判断されます。
評点は、建築基準法令で要求される耐力に対する建物の耐力で示されます。壁量を見るのが基本ですが、既存住宅では接合部補強が不十分なことがネックになっている場合もあります。
まら、接合部や基礎の仕様、耐力壁のバランス、床などの水平構面の仕様、土台や基礎などの劣化の程度によって評点が減点される仕組みになっています。

長々と説明しましたが、結果は!

耐震診断の評点0.51の瓦屋根(耐震補強なし)の物件を、軽い屋根と言われている「スレート屋根」「板金屋根」に改修しても倒壊します!

瓦屋根のまま、耐震補強を施した物件だけが倒壊しないのです。

安易に軽い屋根と呼ばれているものに相当額を支払い、大地震が来て倒壊すれば元も子もありません。

各市町村の窓口に問合せすれば、耐震診断の相談を受け付けていると思いますので、まずは、相談してみてください。

YouTube動画サイト
  ↓  ↓  ↓
wallstat

2017年9月18日月曜日

ベタ万十軒新発売

53判限定ですが、今回自社製の「ベタ万十軒」を新発売しました。



丸い部分が名前のごとくベタ(フラット)なので、すっきりとした印象になります。


一般的な右端の「万十軒」と比べれば一目瞭然です。


自社製にすることにより、弊社オリジナルの「水切り機能(特許取得済)」も付きました。


屋根に施工すれば、このような感じとなります。

様々な役物をチョイスして、オリジナリティを出せるのも「瓦の良さ」の一つ。

チョイスする楽しみを是非体感してみてはいかがですか?

2017年9月16日土曜日

瓦の名称

昔、和瓦は各地で製造されていましたが、現在では淡路島を始めとする各産地に集約されています。

当然のことながら、各生産地で様々な名称が付いていました。

そこで問題なのが「瓦の名称」の統一。

慣れればというか、覚えればいいのですが、中々これが大変で、出荷時の発注ミスにもつながります。



まずは「桟瓦」

関西圏では「地瓦(じがわら)」と呼びますが、地方により、平瓦、身瓦(みがわら)などの呼び方があります。

水垂れ部が切り立った「切落」と、面を取った「面取」がありますが、三州では「削(そぎ)」と呼ばれます。


左右端部に使用される「袖瓦」

通常、下から見て右側が「右袖」、左側が「左袖」なのですが、四国地方では、左袖を「葺き始め」、右袖を「葺き終わり」と呼ぶところがあります。

また、右袖のことを「大袖」、左袖のことを「小袖」とも呼びます。これは、右袖のほうが左袖より大きいので、すぐ分かりますけど。。。

それから、袖瓦の一番下(葺き始め)は「角(かど)」と呼びますが、地方により、「箱」とか、「親(おや)」などと呼ばれます。


隅部の端部に使用される「隅巴」

地方により「クツ巴」「アンコ―」などと呼ばれますが、「クツ巴」は形が何となく靴に似ているから分かりますが、「アンコ―」の語源は何なのでしょう???

他にも色々ありますが、瓦の寸法も尺貫法(尺、寸、厘)で呼ぶことが多いので、瓦業界で独り立ちするのは、中々時間がかかります(;''∀'')



そこで、弊社総合カタログにも記載していますが、淡路瓦工業組合のHPには、ほとんど全ての瓦の写真、名称と共に「コード番号」を明記しています。

これにより、発注業務のミス低減につながりますので、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

また、今日から三連休で秋の行楽シーズン並びに各種イベントが予定されているのに、台風が日本列島を直撃しそうな気配。

被害が最小限に済むことを願いつつ、非常に危険なので、点検などで決して屋根には上らないようにしてくださいね。

2017年9月7日木曜日

第17回瓦屋根設計コンクール「甍賞」銀賞受賞

第1回を1981年(昭和56年)に開催して以来35年の歴史を持つ甍賞。

日本の景観を美しく彩ってきた粘土瓦の新たな魅力を求めて数年に一度行い、今回で17回目を向かえました。

受賞決定時ブログ→

先月末、東京で授賞式が行われ、弊社は出席できませんでしたが、本日感謝状とメダル、入選作品集が届きました。



創業50有余年、初めてこのような栄えある賞をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。


コンクール入選作品集


設計趣旨(入選作品集から抜粋)

日本3大産地の1つ「淡路瓦」の産地の庁舎として、地元資源である瓦を建物内に積極的に採用し、建物全体で36,000枚の淡路瓦を使用した。
・淡路瓦を利用した外装意匠
・瓦の保水性を活かした舗装と瓦の循環利用
・瓦の回廊によって繋がる建築群

作品名   :南あわじ市役所
受賞者   :NTTファシリティーズ・社家一級建築士事務所・フタバ設計共同企業体
所在地   :兵庫県南あわじ市
施工会社  :大林・柴田特別共同企業体
瓦施工会社 :昭和窯業株式会社他
構造    :RC造
面積    :7329.14㎡
使用瓦   :いぶし瓦

瓦を斬新に設計していただいた「瓦スクリーン」

既製品の桟瓦を壁面に使用し、サッシなどの開口部は瓦の寸法を優先して設計していただいた「瓦ウォール」

グレーチングに小端立て瓦とシャモットを敷き詰めた「排水溝」など、長年瓦に携わている私も、目から鱗の連続のデザイン。

南あわじ市のシンボルとして、これから先、永く市民の目に触れる庁舎を、斬新かつ新しい「淡路瓦」の活用法として設計していただいた設計者の方々には、この場をお借りし、改めて御礼を申し上げます。また、銀賞受賞おめでとうございます。

各地で発生した地震等で、ますます逆風が吹いている瓦業界。

今回の受賞で、より一層「瓦の新しい可能性」を模索しなければ!と想いを新たにした一日となりました。

最後になりましたが、建設時に多大なるご協力をいただきました各窯元様、各施工業者様、本当にありがとうございました。

2017年9月6日水曜日

特注紋作成

軒先に様々な地紋、屋号等を作成出来るのが「いぶし瓦」の良さ。



紋帳に載っているだけでも相当数があります。



寺社仏閣、店舗などの作製依頼が度々あるのですが、先日も特注紋の依頼がありました。



現物サンプルを送っていただき、金型を作成する前に鬼師さんがサンプルを作成し、依頼主の確認がいただければ、金型の作製にかかります。

このようなオンリーワン的なことが出来る屋根材「いぶし瓦」

寺社仏閣、店舗は勿論の事、個人住宅でもご希望のデザインで作成可能ですよ。

2017年9月2日土曜日

防災の日

ここ数日、めっきり涼しくなり、ようやくクーラーなしで朝までぐっすり眠れるようになってきた淡路島。

季節は確実に秋へと移行しています。

そんな昨日9月1日は、1923年(大正12年)に発生した「関東大震災」にちなみ、1960年(昭和35年)「防災の日」に制定されました。

昨年、熊本県を中心とした地震により、急速なスピードで「瓦離れ」が進行しています。

実際、瓦は重いです。これは変えようがありません。


大きな地震が発生すれば、瓦屋根の場合「棟」(一番高い所)の瓦の落下がよく見かけられます。

昔の施工方法では、葺き土に「のし瓦」と呼ばれる瓦を積み上げていただけなので、経年変化で葺き土の粘着力が低下し、地震が発生すれば、瓦が落ちるのは当たり前です。


近年では、葺き土の代わりに「南蛮しっくい」を使用し、瓦と瓦を銅線等で留め付ける「ガイドライン工法」が主流となり、震度7クラスの揺れが起きても落下しないデータが出ています。


見た目は昔と同じですが、平部はステンレス釘等で留め付け、桟瓦と桟瓦は「ツメ」で噛み合わさる「防災瓦」が主流となって、非常に耐震性がアップしています。

初期投資の関係もありますが、瓦には「ランニングコストの安さ」「雨が降った時の静かさ」「メンテナンス時に代替品の調達が容易」「断熱性の高さ」など、良いところもたくさんあります。

また、何と言っても日本の原風景は「瓦屋根」

日本の原風景を絶やさぬよう、まずは出来ることからコツコツと発信していきたいと、改めて感じた次第です。

あまり大きな声では言えませんが、最近軽量化の流れで多用されている「板金屋根」

昨今多いゲリラ豪雨時には、雨音がうるさくて眠れなかったりするらしいですよ。