2021年6月14日月曜日

屋根形状の違いよるメリット・デメリット

 一口に屋根って言っても様々な形があります。



【切妻屋根】
全国的に一番多いと思われる切妻屋根。
すっきりとした形で、コストが安く、雨漏りのリスクが少ないメリットがありますが、個性が出しにくくなります。

【寄棟屋根】
全ての外壁の劣化を抑えられ、耐風性がある形です。
切妻に比べコストが上がり、棟が多いので雨漏りのリスクが増えます。

【入母屋屋根】
日本の伝統的な形で、意匠的に重厚感が増し、屋根裏の通気性が高い形ですが、コストは一番高くなります。

【片流れ屋根】
写真の屋根面は二面ありますが、近年多いのが太陽光パネルを設置するため一面の片流れ屋根。
コスト等を抑えるため、外壁から屋根面の出幅(軒の出・ハフ出)が少なければ、外壁の劣化のスピードが早まる危険性があります。
また、大雨の際、樋が一本なので雨水が集中し、トラブルになる可能性があります。

デザイン性はもちろん重要ですが、雨漏りのリスクを少なくするためには、出来るだけシンプルな形のほうが安心です。

雨の多い日本。
屋根、外壁は家を長持ちさせる重要な箇所です。
どの形もメリット、デメリットがありますが、一度決めてしまえば変更できません。
建築予定がある方は慎重に検討してくださいね。



2021年6月11日金曜日

S瓦 修理工事

 先日、S瓦の屋根修理工事を請け負いました。

S瓦とはスパニッシュのSから命名され、昔は今みたいに洋瓦がなかったので、洋風の新築物件に多用されました。


色は瓦業界では昔から現在でも「青緑(せいろく)色」と呼びますが、スカイブルーとか、カルフォルニアブルーとかってネーミングを変えれば、再ブレークするかな???


表面の色は約40年経った今でも綺麗ですが、昔の工事(施工)が悪く、現在使用しているステンレス製の釘ではなく、鉄釘で留めていたため、錆による膨張で釘穴から亀裂が入り、瓦がひび割れし、雨漏りしていました。

永く住み続けるのであれば、全面リフォームを提案するのですが、景色の良い高台に立地するこちらの物件。
お施主様が「あと10年ほどで車の運転が出来なくなれば、街中のマンションに引越しする予定なので、最小限の修理でお願いします」とのご依頼でしたので、ご依頼通りの修繕をさせていただきました。

何度もお伝えしていますが、規格品を使用していれば、数十年経ってもメンテナンスできるのが「瓦のよさの一つ」
瓦は長持ちしますが、昔の施工方法だと屋根が劣化している場合がありますので、定期的に屋根瓦専門業者に点検を依頼することをお勧めします。
決して自分では上らないでくださいね。
特に今回のような陶器瓦は表面がガラス質になっていますので、非常によく滑り危険です。

当然今回の物件も、安全対策の為仮設足場は設置して作業を執り行いました。



2021年6月10日木曜日

新商品開発

 昨今主流の53判。

53判というのは1坪に約53枚使用する瓦の名称です。

お寺等でよく使用される粒入(京花)台付万十軒は、以前からラインナップしておりましたが、今回、一回り小さいサイズの「56判」の粒入台付万十軒を試作中です。


金型が完成し、試験焼きが終わったので、模擬屋根にて桟瓦との葺き合せのチェック!
おおむね良好で一安心。
微調整し、8月後半販売開始に向け、生産体制を整えていきます。


瓦の裏面。
台付、雀口、安定等、地域により名称は様々ですが、二カ所の三角形が雀等の小動物の侵入を防ぐ役割を果たします。
また、弊社オリジナルの「水切り機能」も付け、長年に渡り強風時の雨水の吹き込みを防ぎ、瓦の下の木材(瓦座)の腐食を防ぐ効果があります。

「いぶし瓦」で中々新しい形状の新商品開発は難しいですが、少しずつニーズにお応えするよう社内体制を整えたいと思います。



2021年6月9日水曜日

新築工事完工

 シンプルモダンな瓦屋根の新築工事が完工しました。


棟瓦は鬼瓦なしのシンプル仕上げ。


周辺が平板瓦の中かで、「いぶし銀」が輝いています。


設計当初、平板瓦の予定でしたが、奥様のご意向で「いぶし瓦」になり本当に有難いことです。


軒瓦はスッキリした仕上がりになる「一文字軒」
施工は「合端(あいば)」といって、職人さんが一枚ずつ擦り合わせて加工する難易度の高い瓦で、昨今需要が減りつつありますが、このような職人技を絶やすことなく継承していきたいものです。

屋根工事は終了しましたが、玄関ポーチとキッチン周辺に瓦タイルを後日納品予定。
感性が楽しみです。


2021年5月21日金曜日

神戸北野異人館街

 現在でも日本の主要な貿易港である神戸港。その開港は今から約150年前にも遡ります。

外国人の居留地として開発されたエリアが、現在の神戸市北野町一帯。

戦災や震災や再開発で多くが無くなりましたが、現在約60棟の洗練された洋風住宅が軒を連ねています。



1980年に、43道府県101市町村123地区(令和2年12月現在)ある「重要伝統的建造物群保全地区」に選定され、また昭和52(1977)年にNHK朝の連続テレビ小説「風見鶏」の放映を機に全国から多くの観光客が訪れ、主要な観光地となっています。

その多くの建物の屋根には「いぶし瓦」が葺かれています。
洋風住宅でも違和感ありませんよね。


こちらは数年前に訪れた時はセブンイレブンだったのですが、約3年前に閉店し、その後保育園に替わるそうです。


こちらは、明治40年に建築された木造2階建ての住宅を、平成13年に現在地に再建、移築された世界的に有名な「スターバックス」
再建された際も「いぶし瓦」を使っていただき有難いことです。
訪れた時はタイミングが悪くメンテナンス作業のため臨時休業でした、、。。

現在兵庫県は「緊急事態宣言中」なので閉館しているところが多いと思いますが、コロナ禍が落ち着いたら、異国情緒溢れる「神戸異人館巡り」を是非!
その際は、ちょっと見上げて屋根も見てくださいね。


2021年5月13日木曜日

屋根瓦の施工方法の強化について

 国交省では「総力戦で臨む防災・減災プロジェクト~いのちとくらしをまもる防災減災~」の一環として、「建築物に係る強風対策の推進」に取り組んでいます。

その一環として来年(令和4年1月1日)から「屋根瓦の緊結方法」が強化され、令和4年1月1日以降に建築物を新築等する際には瓦屋根について強風対策を講じる必要があります。



現在(改正前)は全数緊結(釘等の留め付け)する必要はありませんが、来年からは、全ての瓦を緊結し、完了(中間)検査時の申請図書に品質管理記録を記載させるようになります。

瓦業界団体が平成13年8月に策定した、強風や地震による屋根瓦の脱落被害を防止する工法(ガイドライン工法)で既に多くの工事店様が施工されていると思いますが、法的拘束力がないため、一部の工事店では旧工法で施工され、自然災害時に被害を受けていることがありますので、このような施策で一般の方に「見える化」が進むことは良いことだと思います。



上記写真は島根県の石州瓦の「来待色」の瓦が多く連なる風景。
地域性があり、趣がありますね^^
このような日本の伝統的な景観を、安心安全な工法でいつまでも残していきたいものです。
前回のブログにも書きましたが、この景観に「太陽光パネル」は絶対必要ありませんよね?


2021年5月12日水曜日

脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会

 久しぶりの投稿になります(^^;

数日前と今日、「御社のブログ見ていますよ~」と言われ、定期的に発信しなければ!と初心に帰った本日、、。。

屋根の軽量化、洋風化が止まらない昨今、先月ショッキングな国の検討会がありました。

それは「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会


国土交通省、経済産業省、環境省が合同で行なったもので、小泉環境大臣が「住宅やビルに太陽光パネルの設置を義務付けるべきだ」と発言しました。

義務化されれば瓦業界は益々逆風の嵐が吹き荒れます。

積雪地や日当たりの悪い地区での発電効率低下の問題等が議論として上がったそうですが、それより、日本の伝統的住宅文化の継承や、景観保全の視点が全くないのが非常に問題です。

地球全体での温暖化を緩和するためには、脱炭素の流れは理解できますが、その前に議論すべきことがたくさんあるはずです。

現に国の官庁の屋根にどれだけ太陽光発電が設置されているのでしょうか???

※上記内容の一部は「日本屋根経済新聞」の社説を引用させていただきました。